雑記帳または /dev/null

ソフトウェア開発、哲学、プログラミング、その他雑多なものもののメモ

2021-01-01から1年間の記事一覧

メモ - 「わかりやすい」「わかりにくい」考2

前回 philomagi.hatenadiary.jp 「わかりやすい」「わかりにくい」の成立条件 任意の対象Xについて私達が「わかりやすい」と認識したとき、その背後には何が存在するか。より正確には、その背後には何が存在したならば、「わかりやすい」という認識は成立可…

「永続的なもの」の恣意性

「永続的なもの」の恣意性について 契機1 一時的なものと永続的なものという区別に恣意性を感じる— 天重誠二 (@tenjuu99) 2021年10月29日 論点 あるものを「これは永続的なものである」と認識した時、それが現に「永続的なもの」であるかどうか、また「永続…

View, Role, Entity, 現象学的還元

発端 RDBに作り込むテーブル=エンティティの方こそ仮設された仮説。これを僕はTruthと称する。Truthなんてものは常に仮説なのだ。一般にViewとかRoleとかに見られてる方こそ揺るぎない一つのFact。こっちの方が実態として実体的。ただしあくまで観察者(=コン…

読書メモ - 『異本論』外山滋比古

対象書籍 異本論 (ちくま文庫)作者:外山滋比古筑摩書房Amazon 各章について 「読者の視点」について ある古典の源流となった著者自身のテキスト、究極は肉筆の原稿を「源泉」に、そこから発生した様々な解釈を「支流」に、その様々な「支流」が合流してまさ…

読書メモ - 現象学の理念

フッサール、長谷川宏 訳『現象学の理念』p.5 「いずれにせよ、認識論が認識の可能性に目をむけようとすれば、(...)認識されていなければならない。」の範囲を、原文を比較しながら整理した。 認識論が「認識の可能性」という問題をその範囲で扱う場合に、認…

メモ - 「怒り」について

人はしばしば、様々な事柄に対して「怒り」という感情を抱く。この「怒り」という感情は、何かしらその主体の倫理的性質に対して影響しうるのか。 例えば、「怒り」という感情をその内に抱きながら、なお倫理に正当化ないし許容される立ち位置に居続けること…

知識/情報を「アップデート」することについて

「知識/情報をアップデートする」というのが何を指すかについて、概ね期待通りというか、想定通りな傾向だった(母数少ないってレベルじゃないから、これに基づいてどうこうはとても言えないが)— philomagi (@Philomagi) 2021年10月4日 「アップデート」 - 上…

メモ - 「役に立たなさ」について

「役に立たなさ」は専ら否定的な意味で、精々が「役に立たなくても良い」という消極的な意味で用いられるが、むしろ積極的な意味として、「役に立たないからこそ良い」というかたちで、「役に立たなさ」を語ることはできないか。 「Xが役に立つ」とは、専ら…

メモ - 非意味的切断と依存性管理・疎結合

思弁的実在論と現代について――千葉雅也対談集作者:千葉 雅也青土社Amazon 私は『動きすぎてはいけない』で、「接続過剰から非意味的切断へ」というテーマを掲げました。自分と他者の間にあまりにも多い関係性、そして、そこに生じるあまりにも多い責任を想定…

メモ - 「わかりやすい」「わかりにくい」考1

奇妙な用法 任意の対象Xについて、私達はしばしば「Xはわかりやすい」「Xはわかりにくい」と語り、また実際にそう認識する。 この認識は、素朴にはXについての認識であり、またXの性質について語ったものとして捉えられているように思う。 しかしながら、「X…

メモ - 「オブジェクト指向はすでに粒度が時代にあっていない 」について所感

元記事 https://nowokay.hatenablog.com/entry/2021/09/25/042831 本文について 「オブジェクト指向」が多義的に使われているので、ここでは「オブジェクトを基本単位とするアプローチ」程度の意味で使っている模様 基本的にはOMTの「データ構造と振る舞いが…

問題領域と解決領域の関係について

問題の形は解法のそれと必ずしも一致しない。 むしろ、問題の形は解法の形について、何も指示していない。 問題と解法の形が一致していないことは、必ずしも解法の不調和を意味しない。 では、解法から見た時はどうか。 解法は、「問題」なるものをどのよう…